今の社会事情に思う

子どもは親や世間の大人の背中を見て育つと言われている。
それが、いま目を社会に向けると日本はどうなっているの?と思ってしまう。
「これは日本のこと?」ニューヨークあたりのことではないかと思うような事件が毎日のように報道されている。
今の社会事情は何か人間の根本的なことが、欠けているように思われる。それは、社会や学校ではなく、家庭に問題があると私は思う。家族の絆が、希薄になってきているからではないでしょうか?昔は子供が学校から「ただいま!」と帰ると、「お帰り!」と温かな母の声があった。今は自宅で待っている母親は少なくなった。それが出来なくても、夕飯時には家族みんなが集まって楽しく団欒する等家族でのコミュニュケーションがとれるなら、それで良いのだが。どうも・・・その点を今問題視したいと思う。自立、自由、がはきちがえられ、奔放(ほんぽう)な人間が大人も増えてきてしまったようだ。家の中に「温かさ」を求めることが難しくなってきていることも現在の現象である。昨今、元厚生事務次官という要職にあったというだけで、狙われた凶悪な殺傷事件がおきている。46歳の男性が自首して犯人が逮捕に至ったことは少し胸をなでおろした。
この男性の父親は「何で自分の子供が??」と「まさかわが子が!」と驚いている。だが、彼には幼少の頃犬を飼っていて、父親が保健所へ処分に連れて行ったと報道された。この男性は犯行の要因となった心境について「ペットを保健所に処分され腹が立ったから」と言っているのである。このことは今から30年以上前の事実であるらしい。子供の心を痛めてその事実がこの子どもの心に染み付いて、大人になっても尚、執拗にそのことが頭から離れなかったとも考えられる。犯罪心理学者がテレビでコメントしていることは「そのようなことが妄想として現れることがあったのではないか」ということのようである。いずれにしても何の罪もない人がターゲットにされ傷つけられ、殺されるなんて考えられないことである。この男性と父親との間で何があったかは定かではないが、10年近く音信不通であったということは、やはり家族としてのあり方に問題があったと言わざるを得ない。若者が自由、奔放にしていることを見てみぬ振りしている私たちですが、やはり「家族」の中でもっともっと自然で豊かな関係を続けて欲しいものである。