映画「赤ひげ」

衛星テレビで映画「赤ひげ」を見た。
赤ひげ先生のひたむきな人情と医療に心打たれた。
無料で診察する小石川療養所が舞台、町奉行から辞令が出た新しい赤ひげの弟子「保本」が来るところからはじまる。
彼は長崎で「オランダ医学」を学んだと身の程知らずの天狗の心境であった。
その頃の人々の布団は唐草模様。
赤ひげ先生いわく「あらゆる病気に関して治療法などない。」建物の使い方も患者の部屋が南向きの日当たりの良い部屋。
「貧困と無知に対する闘い」である。と政治問題をも視野に入れての展開である。
病気の影には人間の恐ろしい不幸が隠れている。
「人間の一生で臨終ほど壮言なものはない。それを良く見ておけ」と弟子に臨終に立ち合わせる。まっだ未熟な弟子は私には「ただ醜悪なだけだ」というが、後に別の患者でそのこと実体験させられて、彼はだんだんとわかる。女郎屋で心身共に病んでいた少女を赤ひげ先生は助け出し、療養所で治療する。
若い保本弟子に預け治療させるが、その途中で保本医師が熱をだして寝てしまうと、赤ひげ先生はこの少女に保本医師を看病させる。このことで少女は心の病を回復する。
また子ねずみといわれた、小さな坊やが、家族のためにおかゆを盗む。それを見ていながら、何も言わずに許していたこの少女が、今度はこの子がどうしてその様なことをするかを知ると、自分から「毎晩ここへおいで」と言って自分のご飯をその子へ差し出す。なんとこの子ねずみといわれた子も心がいやされるのだが・・
この子の家族は一家心中を図ってしまう。
保本はかねてからの知人の娘と祝言を挙げて物語りは終わる。保本は婚礼の席で自分は町奉行のつき医者に命じられたが、この療養所で過ごすと言い張る。自分自身を省みて、またこの赤ひげ先生に心から感化されての行動だった。
久しぶりにいい映画を見て心温まる作品に感動した。