シークレット・サンタ

季節はクリスマス。どうも明るい話がないこの頃の日本。
それに引き換えいつかテレビで知った「シークレット・サンタ」の話を思い出す。
人間暖かくされると、自分の愛を人に分け与える事が出来るんだよね。
それは、アメリカでの実話。舞い散る雪の中で「メリークリスマス!」と言って20ドル札を手渡す。いでたちはサングラスに白い服、赤い帽子に赤いズボンのおじさん。
はじめは「エッ?」って驚き受け取りを躊躇する人々も居た。しかし彼は、路上で困っている人などを見ると「メリークリスマス!」といってお金を渡した。28年間も続けられた。「それが誰なのか」がわからないので、「シークレットサンタ」と呼ばれていた。其の彼は数年前に癌に侵された。自分がこの世を去ることを知り、「それは自分」といい表した。そして彼は58歳?でこの世を去った。
 彼が28年前に、無職のとき、おなかがすいてレストランにはいった。おなかを満たして勘定を支払うとき、ポケットをアレコレまさぐり、お金を探すふりをしていた。そこで店の従業員が「お金が落ちていますよ」と20ドル札を拾って渡した。それを貰い、その場は支払って店を出た。其のお金は、其の従業員が自分で落として、彼に与えたものだった。彼は「無銭飲食」という罪から逃れる事が出来た。このことが彼の心にある決心をさせた。家にいくらかの貯金があった。全部おろした。目的は、人にそれを分け与えるためだった。「メリークリスマス!」と言ってお金を配って歩くと、とても喜ばれた。それから運が向いてきた。配れば配るほど、仕事が見つかり、業績が上がった。しばらく家族にも内緒にしていた。しかし、街中で、話題になっていた。妻が或る日コーヒー店でひとり座っていると、隣の席のひとびとが、シークレットサンタのことを話しているのを聞いた。「ねぇ、シークレットサンタって知っている?」「ええ。知っているわよ」「見たことあるの?」「ええ。あるわよ。背が高くって・・・妻は其のいでたちの事を聞いてこれらの会話から、「もしや、、うちの人ではないかと思うようになった」
いつか「預金が通帳に無いわ」と言ったら「落とした」と言ったことがあった。それから28年もたっている。長年『配れたのは喜ばれる事の嬉しさを味わえた事だった。そして忘れてはいけない人。あのレストランの従業員。あの人の行為、が自分を変えたことを。それで彼はその人を探し出し、お礼を言いに行った。たくさんのお金をたづさえて。でもその人は自分がまさか、そのような大きな影響をひとりの青年に与えた事は知らなかった。彼が持参したお金は受け取らず、同じように使ったそしてこのサンタが亡くなっても。今もどこかに同じようなシークレットサンタが出てきているとテレビは伝えていた。なんとほほえましい。