最近のエッセイー美味しい「水」ってー 

私達人間、いや動植物あらゆる生き物にとって、無くてはならぬもの、それは「水」です。私の幼い時には、井戸、やポンプから水を汲んでの生活だった。当時は井戸まで「水を汲みに」行って、つるべで水をバケツに汲み、それをてんびん棒で担いで家に持って帰る生活だった。それがいつ頃からか、自宅に水道管が入り、水を汲みに行くことも無くなった。そして、水はまるでいつでもどこでも手に入るものとなって来ています。ところが最近になって、水道の水は「味が悪い、カルキ臭い?」と飲まない人が増えてきました。 我が家でも例外ではなく、夫がお茶、みそ汁を飲んでいる時「これ、水道の水だろう」と一言。「あっ、しまった!そう、ごめんなさい!」と謝り、入れ替える。
どんな水と入れ替えるか?って。結局、お店で購入した2Lのペットボトル入りの物を使う。それにしても、飲み水にうるさくなったのは果たしていつ頃からか・・チョット忘れてしまったが、結構前には、水を浄水しているところへ夫が水を買いに行っていたことがあったし、その次は水道に浄水器をつけて使用していた時期もあった。しかし、浄水器も万能ではなく、いつしか中にカビなど発生し、結局は止めになった。それから次は、通販で買った、「脱塩素スティック」を入れて水道水に含まれる塩素を還元して、「美味しい水」を作るという。更に、ある石を入れておき、宝石から放射される「育成光線」というものが血液をサラサラにする「還元イオンウォーター」を作る等というものを使っていた。山梨県の昇仙峡で買ったトルマリンの石などをも入れていた。そして、最近ではよくスーパーなどで、ある光景を見かける。それは容器を買い、その店内に設置されている水を汲んで行く人々の列です。そんなこだわりを持ちたく無い私は、いたって普通に水道水を使っていたのですが、・・
そう言えば、ちょっと感覚が違う経験をしたことがあった。旅行中、パリ北駅からロンドンへの高速電車「ユーロスター」に乗った時、シンプルな車内の売店でのこと。2〜3人の人が立ったまま飲食をしていたが、私は食べたい物も、飲みたい飲み物もなかったので、薬を飲むために「水」を頼んだ。「How much?」と聞いてみると以外にも「No  charge」という言葉が返ってきた時のことをふと思い出す。ヨーロッパ旅行中は水も有料が当たり前の地域。私達はペットボトルの水を買って持ち歩いていた。だから、その時は「何だか得をしたような気分」になったことを思い出す。当時、私自身が知らぬ間に、「水は有料」の感覚が身についてしまっていたのです。しかし、いったん自分の国、日本に帰れば、水はやはり家の水道から普通に使うのが当たり前の生活に戻っていた。ところがまた、最近は、飲み水だけは水道ではなくペットボトル入り2リッターをお店で購入して、飲む生活に変わった。だが、この頃は友人が教えてくれたある神社の「御神水」を汲んでいる。井戸水なのでとても冷たい水だ。家に持ち帰り、飲むものはやかんで沸騰させ、冷まして飲み水として使用している。多くの人が汲みに来る。生活水がまずいのでこのような生活になってしまっている。現在はまた、とんでもないことが起こっている。それは三月の福島原発事故による「放射能汚染」を心配する風評が出ていることである。水とは直接関係ないが、意外なところで放射能のことが出てきて驚いた。私が経験したのは、最近カナダの友人に美味しい物を送ろうと、郵便局にたずねたら、『今は福島、茨城、千葉県は「放射能汚染」を調べるので食品を送ることは推奨できません』と言われた。もともとは美味しい梨を送りたいと思ったが、それは送れない商品であることが分かっていた。それで、詳しい友人に「海苔」等なら大丈夫と教えられたのでその気になっていたのに、がっかりした。外国ではかなり日本の「福島原発」が気になっているようだ。現在東北や関東地方で清掃工場の一般ごみや燃やした灰から放射性セシウムが検出されている。福島の産廃の処理に関しても当市まで影響がやってきそうな雲行きである。地震、で津波、被災された地域だけでなく、日本全体が今「元気になって明るい社会」になるように祈る。