大牧師先生のあたたかさ

kasumi-maki2006-06-19

札幌でのこと。すこし昔のことであるが、病院長がクリスチャンで、患者のために朝礼拝をしている病院があった。私が失恋したあの頃、その心を癒そうと、その礼拝に参加した事があった。説教者は、その病院長の義理の父で元牧師さんだったS先生。私の通う教会では全国でも有名な先生でした。若い日から、松葉杖を使い、雄弁に説教しておられた。当時その先生は82歳くらいのご高齢であった。その先生が礼拝後、帰り道の私を「牧さん、家に寄って行きませんか?」と声をかけてくださった。この大先生のお誘いに驚きながらも、お寄りした。お家に入っていくと、奥様とお2人のベッドがしつらえてあった。奥様はベッドで横になっておられた。もちろんお2人ともご高齢で、お体が弱っていらしたと想像される。その奥様に「おい!お茶を入れて。」と命令された。横になっておられた奥様がコーヒーを出してくださった。室内はベッド2つと、すこしの空間は恐れ多くも整理整頓非の打ち所のないとはいえないが。それを気にせず、私を招き入れ、祈ってくださった。そして短冊に達筆で聖句とスケッチを筆で書いて下さった。そのとき、感じたこと。教えられた事がある。どんなに家が整理整頓れていなくても、私の事を思い、招き入れてくださった。そこには計り知れない牧師としての人の思いを汲み取るすばらしさを感じとって頂きありがたかった。どんな状況の場所であれ、物理的なことは関係なく心理的な危機を救おうとする真心が嬉しかった。それから私も人が突然、来て、整理整頓が出来ず、恥ずかしいほどの散らかした我が家でも、いつでも人を受け入れる事にした。