タイガーマスク運動ー三太郎さんー


明るい話がないこの頃の日本と思っていたら、善意の話(タイガーマスク運動)が連日のようにテレビや新聞等メデアをにぎわしている。
それは、昨年12月25日、前橋児童相談所にランドセルが匿名で届けられたことに始まる。ところが、今回の出来事が報道されるよりも40年も前から、毎月、児童施設へ寄付と手紙が送られていた「三太郎さん」の話が今日テレビで紹介された。
下関太平学園に1970年から2009年12月まで毎月1回届けられた。 6月と12月にはいつもより多い金額だった。
全部で141万5千円となっていた。2009年12月に最後にすると書いてあった。
この手紙が子供達に「励まし」となっていたと施設の方は話していました。金銭ではなく、心を通よわせる手紙に施設の子供たちは毎回喜んでいたという。
さて、昨年末以来、全国都道府県すべての地域で「伊達直人」等の漫画やドラマの主人公等の名で続々と善意のプレゼントが児童養護施設へ届けられている。
贈り主は40年前の漫画「タイガーマスク」の主人公の名前「伊達直人」と名乗っていた。それを契機に、各地に引けをとらず、当地のグループホームには、一万円分の図書カードと次のような手紙が添えられていた。
「少しですが、良かったら お使い下さい。
 宇宙で世界でたった一人の自分。
それは親から授かった
大切な命。
持っているのは自分だけ
自分だけのすべてを 
いっぱい いっぱい
大切にしてあげよう
          ○○の伊達直人
 実は‘ボク・・この地方の人間ではないのですが、
この地方の人々に本当に良くして頂いているので恩返しです。」
と書いてあった。         
また、当地児童相談所にも60歳位の男性が現れ、現金百万円と手紙を職員に手渡した。隣町の市役所にも伊達直人からランドセル六個が届けられた。
 これらの現象を「タイガーマスク運動」と呼んでいる。私はその漫画を読んでいないが、報道では、主人公の伊達直人が孤児院育ちで、大人になって虎の仮面をかぶったレスラーとなった。悪役相手に活躍を繰り広げ、自分の出身孤児院へ、正体を明かさずにファイトマネーを寄付するというものである。
この前橋のニュースに感動して「マネですね」とか、クリスマスを意識してか「遅れてごめんね」等と書いて贈られた物があった。この現象は続々と続いている。今回のタイガーマスク運動の参加者にも、その人の人生で何か恩返しをしたくなる事があったのではないかと推察する。対象は「児童」であることから、それはあたかも未来を担う子供への期待が込められているようだ。そして今の貧弱な社会政策への、ある種の警鐘を鳴らしているようにも思われる。ボランティア的な思考であるが、いつの時代にもこのような見えない部分での社会への働きかけがあるのかもしれないと思った。だからこそ今回のタイガーマスク運動、これらの善意が果たして、一過性のものなのか、それともこの時期を覚えてこれからも継続されるのか、が今後、関心を持って見守っていきたいものである。